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<2016年の主な予定> 

*セカンドスパイスでの個展日程に変更がありました。


■個展

2月24日(水)~3月1日(火)

会場:阪急百貨店北花田店


■二人展 増田哲士(陶器)・ 稲葉崇史(木工)

5月27日(金)~6月7日(火)

会場:一草庵(岡崎市)


■五条坂陶器祭

8月7日(日)~10日(水)

会場:京都五条通北側A地区10番


■個展

9月16日(金)~9月27日(火)

会場:セカンドスパイス(京都)


■六花展 増田哲士(陶器)・ 稲葉崇史(木工)・竹村優利佳(織)

10月8日(土)~10月13日(木)

会場:五風舎(奈良市)


■個展

12月3日(土)~12月11日(日)

会場:Cafe&Gallery りほう(京都)

2014年1月8日水曜日

渡英日記 その2~マンチェスター編~

渡英日記 その2~マンチェスター編~

1992年の初めてのイギリス滞在日記に現在の視点でコメントをしてみました。
当時の文章を読んでいると、自分の皮肉っぽい性格の悪さ(?)が顕著に現れているなと思います。
失礼なものいいは、若気の至りと思ってどうかご容赦ください。
マンチェスター滞在中のできごとを綴っています。





1992.8.1.

Manchesterへ行く日である。
Euston 駅から一路Manchster Piccadilly駅へ約3時間。
途中で昨日作った「すし」の残りを食ったが、はっきり言ってコゲのかたまったところばかりで、
何を食べてるのかわからんかった。
鳥のエサにしてもいいぐらいの感じがしたが、とりあえず口の中にかき込んだ。
Manchesterは予想に反してきれいな町である。路面電車Metrolinkは新しくてカッコイイ。
B&Bについたら、そこがまたとんでもないところだった。
でかいセントバーナードと子犬と子豚みたいな黒い犬、さらに猫までいる。
それも家のなかをうろうろしている。
せまい廊下を大家のおばさんにくっついて歩き回るものだから大変だ。
あたまがくらくらしてしまうが、大家さんはなかなか楽しい良い人だから
なんとかなるのではないだろうか。

 Re:
当時のBritish RailのInterCityは新幹線並のスピードで走るのに、ドアが手動だった。
外側にノブが付いてるので、降りる時は窓を開けて手を外に回して自分で開けるというもの。
数年後、自殺者が増えたとかで自動化されたらしい。
Euston、King`s Cross、ユーストン、キングスクロスていう響きが懐かしくて切なくなる。
なぜかロンドンから北へ向かう駅は独特の物寂しい雰囲気があったなぁ。
キングスクロスは当時よく聴いていたPet Shop Boysの同名の曲が「ネ申」

それはさておき、我が家を訪れた方はご存知かと思いますが、
現在の我が家はまちがいなく訪問者のあたまをくらくらさせる家だと思います。
合計総重量65kgの犬2匹がもれなく(激しく)お出迎えします。





1992.8.6.

Craft Centreというところはとても良い所である。
小さな店、それも工房と一体になったようなもので、作家の作っている様子も見える店である。
陶器、ガラス、金属、染織といったものを扱った店ばかりで、
こんな所で製作しながら店も持てたらなんぼええだろうか・・・
とうらやましく思いながら見ていた。中でも金工のアクセサリーは
自分でも作ってみたくなるようなものもあってなかなか良かった。
Craft Centreの近くにMarketのアーケードみたいなのがあって、
そこも面白い店(ガラクタとしか思えないものや、ボロいおもちゃ、わけのわからんオブジェ、
汚い古い写真など)がいっぱいあった。
G-Mexという昔駅だった市民ホールみたいな建物はカッコイイ。
Manchesterはいい。人もあまりたくさんいないし、思っていたよりきれいだし、
空気も水もロンドンより良い。
こじんまりとしたやかましくない町だから落ち着ける。

 Re:
ロンドンの水は石灰分がとても多くて、キッチンの水周りはすぐにまっ白になってたなぁ。
はじめてロンドンの水道水飲んだときは「何じゃ~この味~!」と思ったものです。
ほんとに石灰の味がした(気がする)。
それに比べてマンチェスターは飲みやすいやさしい水だったように思う。
水は国によって全く違うみたいですね。
そのせいか、ロンドンで買っておいしいと思ったハーブティーを日本で飲んだら、
「何じゃ~この味~!」となった覚えがあります。




1992.8.11.

Manchester Museumへ行った。
とりあえずたくさんのコレクションがあった。石、昆虫、動物出土品などと結構幅は広い。
~中略~
4階(昆虫の標本、植物の標本、爬虫類の水槽など)とにかくフタ付きのショウケースは
ものすごく開けて見るのがめんどくさい。
いちいちパタパタあけてたら手が疲れる。子供たちは中の標本そのもの見て楽しむのではなく、
パタパタとフタを開けては閉めることを楽しんでいるとしか思えなかった。
中身をじっくり見ている人は皆無である。
ビンに入ったホルマリン漬けの標本はおもしろくない。それにちっとも充実していなかった。
爬虫類の水槽はどのヘビもワニも目新しさが無くていまいち。
目新しければそれでいいとは言わぬが、
いまいちそこにそれを置く必然性がないと思えるものが多い。
いちばんすごいと思ったのは、マホメットの生まれた年から(700年ころだったと思う)
1800年頃までの樹齢の木の年輪を輪切りにした一部である。
まぬけなことにあまりのすごさで 何の木だったか忘れてしまった。
Redなんたらという名前だったかもしれない。

 Re:
いまいち、おもしろくない、充実してないと否定的な言葉のオンパレード。
「必然性がない」などまったく生意気にもほどがありますね。
でもやっぱりフタの開け閉めはめんどくさいだろうなぁ。





1992.8.13.

この日は何をしていたか覚えてないところを見ると、何もしていなかったようである。(16日)

 Re:
ほんとにあなた何しに行ってるんでしょうね?
他にも「ぐうたらして一日が終わってしまった。」とか・・・
ぼーっとしたり、ぐうたらしたり・・・時間無駄にしすぎ!!





1992.8.19.

Blackpoolという海辺の街に行った。
ここはLondonの近くのSouthendに似ている。とてもよく似ている。
ただここはやたらとイルミネーションのぼんぼりやちょうちんがぶら下がっている。
見渡す限りイギリス人ばかりで、およそ日本人が来て楽しんでいる様子などない。
海はコーヒーかココアみたいな色。古びたアイスクリームの屋台、
きたないPier、メリーゴーランド、遊覧電車、水族館(下品な)
ゲームセンターなどがあるが、どれをとってもさびれてるな~と思ってしまう。
夜にくればイルミネーションが輝いてきれいなのかもしれない。

 Re:
となり街のリバプールはとても有名なのに、なぜかそっちはスルーしてブラックプール。
イギリスの夏はとても涼しい。26度でも「やった~今日はスッゴク暑いぞ!」と喜ぶくらい。
この日は曇って風が強くて肌寒かったのに、みんなわずかな太陽を求めて水着姿だった。
ココア色の海に入ってはしゃぐ子供たち。アイス、ポテチと次々に菓子を食べ続けるお年寄り。
それぞれに夏を楽しんでました。それなのにあなたは一体・・・。
自分から訪れておいて、その否定的なものいいは何なんでしょう?
ちなみに次の日は「Blackpool行きのショックのため家でぐうたらしてすごした」とのこと。
・・・またですか?





1992.8.22.

Yorkへ行く日である。ManchesterからLeedsというところまで行って、
そこで乗り換えて行ったのだが、
はじめのLeedsまでの電車のおそいことおそいこと
何やら遊覧電車に乗っている気分になってしまうような遅さであった。
それはさておきManchesterから電車にゆられて30分もすると小高い丘のある
いわゆる田舎の風景が広がってきたのだが、
ひつじとか牛が緑のカーペットのうえに白く点々として箱庭になりそうな風景だった。
駅を出るとすぐに城壁が見えるが、Chesterのものよりも大きく整っていて美しかった。
緑の芝生(だと思う)と白とうす茶の石壁のコントラストはいかにも城壁の街という気がする。
Yorkの街は1階よりも2階、2階よりも3階が順にはり出すという建物の間を
石畳の細い道が通っているものだった。
どの店もこじんまりとしているのだが、それぞれに個性的なものが売られていておもしろかった。
広場にはたくさんの市が立ったりstreet performanceなどが
人だかりを作ってたいへんにぎわっていた。
ミンスターもすごい人出だったが、人さえいなかったらもっと感動するだろうというような大きく立派なものだった。
街の中の一角に開けたガレージになっているところがある。その真ん中にぽこっと緑の丘があり、その上に塔が建っている。
いきなりそんなもんが街の真ん中にあるのはあまりにも変だと思いながら中に入ってみたが、1.5ポンドもとられた。
塔自体はそれほど高いものではないが、上に登ると丘の上に建っていることもあって、なかなか高く思えた。
ミンスターもよく見えた。夕方から小雨が降り始めててあまりゆっくりしてられなかったが、
アメリカのNew Yorkとは似ても似つかないと思われるような落ち着いたよい街だった。

 Re:
ヨークはとてもかわいらしい街だったなぁ。
中世ヨーロッパ(?)の雰囲気たっぷりで、これからイギリスへ行く人にはおすすめ。
ヨークミンスターは天井が冗談のように高い。見上げてると首が痛くなるので、床に鏡が置いてあった。
人さえいなかったらもっと感動するって、あなたほんとに人嫌いですね。





1992.8.24.

朝6時半に起きて7時に朝食とってScotlandへ出かけた。
Manchester Piccadillyから電車に乗ってPrestonで乗り換えて行った。
いきなりすごい人で3時間くらいずっと座れずに入口横の広いところで
立ったりしゃがんだりしてて疲れた。
窓から見る風景がだんだんと北のほうに来たという高い丘が見えはじめたが、
とりわけ「スコットランドだ~」という感じはしなかった。
駅でInvernessに行く時刻表を見た後、インヴァネスのYHに電話したら、満員ということだった。
だんだんやる気が無くなって、この日はEdinburghにとまることにした。
駅からYHまで歩いたのだが、
人がいっぱいいて何やらロンドンに来たような気がした。
チェックインした後部屋に行くとドアノブが異常に固くて困った。
しかも10人部屋ということでもうすっかりやる気がなくなってしまった。
わたしゃ共同部屋とか共同生活にはむいてないと常々思っていたにもかかわらず、
こんなところに泊まるとは・・・
と思いつつ外の様子を見てまわった。全体的に重苦しい空気を感じるような街だった。
天気の具合もあるのだろうがやはり暗い。
エディンバラフェスティバルなるものが行われていて街は市が立ったりしてにぎわっているのだが、
建物の色が灰色(石)だからどうしても暗く感じる。
マンチェスターがレンガ色の街だったからだろうか。
しかしこの街は坂が多い。高い丘の上にエディンバラ城が見える。
いかにもヨーロッパ的な感じがした。
YHの近くにある教会はなかなか立派なもので、Yorkのミンスターよりも外見はカッコイイ。
高い三角の塔があるからだろうか。夜はライトアップされてとても美しい。
まさに夜空に浮かび上がっているようだった。
Scottish National Gallery of Modern Artもライトアップされて美しかった。
その日はYHで夕食をとって風呂にも入らずそのまま寝たが、よく眠れなかった。
2段ベッドの上の人は寝相が悪く、シーツをはじめに落としその後フトンまで落とした。
届かない手を伸ばして上の段から取ろうとしたはるから、取ってあげたりしたが、
あまりにも寝苦しかった。

 Re:
そういえば当時、「やる気なくなる」というのが口癖だったなぁ。
そうそう「やられた」っていうのもあった。
自分のやりたそうな事や、作りたいと思っていたようなものを見つけたとき、
「う~ゎ、やられた・・・」と。
なんだかどちらも「あきらめた感」のある言葉ですな。
あとやっぱり人が大勢いるところは苦手だった。まぁ今もそれは変わらないか・・・。

ちなみにEdinburghは「エ」にイントネーションがきます。「エーディンボァ」と発音。
Invernessは「ネ」にイントネーション。「インヴァネース」と発音。




1992.8.25.

朝食の後Scottish National Gallery of Modern Artに行った。
ここにはとりたてて目を引くものが無かった。
ジャコメッティの彫刻、パウル・クレーの絵ぐらいだろうか。
そのあとYHが泊まれなくなってしまったため、B&Bに電話して(何回もかけた後)
やっと見つかった。
結構遠いところでタクシーに乗っていったが、なんとなくあやしげで心配な気もするが、
とりあえず風呂、トイレ付きで良かった。
B&Bで一息ついた後National Gallery of ScottolandとRoyal Scottish Academyに行った。
National~はいわゆるルネッサンス~とかフィレンツェのなんたら~みたいなものばかりで、
見る足は速くなる一方。
Royal~の方はMiro展をやっていたが、これは良かった。
図録を買ってしまったぐらい良かった。
彫刻が多く絵は少なかったが、ミロの彫刻はあまり見たことが無かったから良い機会だった。
Galleryの横の坂道を登っていくとエディンバラ城であるが、
入城料が3・40ポンドもしてたからやめて、
城の下の丘に続く道をうろうろした。とても見晴らしがよく、遠くの海まで見えた。
風がきつく寒いぐらいだった。

 Re:
行き当たりばったりで宿を取っているあたりがいかにも学生の旅ですねぇ。
あやしげなB&B、その名も「マラケシュ」(だったと思う)。その名のとおりモロッコ風。
疲れて帰ってきて、「お風呂お風呂~♪」と思って入ったら
シャワーが水しか出なかったな・・・たしか。
それでも朝食はわりとおいしかったしボリュームもあった。
で、ゆっくり悠長に食べてるから電車乗り過ごすんだよな・・・。

ざわざわと音をたてる緑、風に煽られながら飛ぶかもめ、灰褐色の城壁・・・
スコットランドの思い出。




1992.8.26.

今日はインヴァネスへ行って日帰りしようと思って出かけたが、9時40分発は出てしまってて、
そのあとは11時30分発というどうしようもない状態だった。
結局ネス湖訪問はお流れになってしまった。
そのかわりRoyal Museum of Scotlandに行ったが、
ここは想像をはるか上回るコレクションの数だった。それに広い。
しかもきれいというBritish Museumが色あせて見えるほど立派なものだった。
まだ新しく完成していない部屋もあったのだが、
完成してなくて良かったと思うほど見てまわるのは大変なものであった。
足が棒になるとはこのことよ、というぐらい歩き回った。
どの部屋も広く、置いてあるものもその演出もなかなかこだわりを感じさせた。
とくにFishという海洋生物の部屋は本当に水族館に来たように思えるような
つくりものの水槽があった。
部屋の中も薄暗く水中を歩くような雰囲気がありとても良かった。

 Re:
なにかと出遅れる人生をこの頃からずっとかわらずに送っているような気がする・・・。
いや、この頃よりももっと前からだ。
つまり僕は生まれたときからずっと出遅れ続けているのかもしれない。
ま、それはさておき、このミュージアムはまた行ってみたいなぁ。
中央が吹き抜けになっていてとても美しい建物だった。
数あるイギリスのミュージアムのなかで一番印象に残っている。


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